Keitaro Oshima Website

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blur

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16mm/b&w/silent/5;40/2007

ある時、現像が上がったフィルムに、説明書の様な小さな印刷物が同封されていた。初心者向けに、現像時の不具合が起きた際の原因解説を簡潔にイラスト付きで説明してくれているものだった。フィルム装填の仕方から、露出機能の故障、フィルムの保存方法、フィルムが破損した時のラボでの対処等につい書いてある。
本来、映画フィルムは現実世界の色、形、光、影、空間、時間を見たままに記録し再現(上映)できるメディアとして発明された。フィルムの製造元からするとその様に撮影、現像されていなかったフィルムは、事故、失敗ということになってしまう。しかしながら、何らかのハプニングによる"失敗"フィルムの映像の中には、簡単に見捨てることのできない異質な効果を生じることが少なくない。
この作品では、映画フィルムの持つ表現力を拡大解釈し、いくつかの静止したイメージを被写体として暗闇と光と現像処理によって"失敗"フィルムを作る実験を行った。重ねあわせたフィルムのズレや露光の塩梅、現像時間や温度の変化など、映画制作における事故を自ら演出しそれによって生じる、フィルムに現れた映像の「ぶれ・むら・濃淡」を表現した。
被写体のイメージには、失敗フィルムに同封されていた説明書のイラストを使用している。
映画のレシピには載っていない作法なのですが、料理をしていて思いがけず美味しい味付けに出会うことの様に、銀塩フィルムが隠し持っている未見のイメージを味わって見たいと思う。

The motif of this movie is a manual to use the film for the beginner been sent by chance by the processing laboratory. The cause of the failure in the filmmaking that had been explained with the manual was very important technical skill of image making for me. It is the manners that do not appear in the recipe of the filmmaking, but wants to taste the unseen image that a film hides. For example, coming
across unknown delicious taste if I cook.